【吹奏楽】正しいチューナーの使い方
みなさんこんにちは。新年度も始まり、中学校・高校では期待に胸をふくらませた新入部員も入り、部内は賑わってきているかと思います。
今回は、チューナーのお話です。みなさんはチューナーをご存知でしょうか?おそらく知らない人はいないと思いますし、吹奏楽部員にとっては必須アイテムでしょう。ですが、みなさんは、チューナーの使い方を意識したことありますか。チューナーは、音の高さを確認することができる便利なものですが、有効に使うことで音感や演奏効果も高めることができる優れものです。
チューナーとは
前述した通り、チューナーはチューニングの際に音の高さを確かめることができるものです。基準の音に対してどのくらいずれているかを-50~+50の値で針が指し示してくれる優れもの。(単位はセント)
今はチューナーの機能だけでなくメトロノームの機能も備わっているものも多く、一つ持っていれば練習中に音程を確認できたり、様々なテンポやリズム練習ができたりするので便利です。
シンプルなデザインから、キャラクターの絵が入ったデザインもあるので、購入する際は自分のお気に入りのものを選ぶと良いでしょう。
正しいチューナーの使い方
正しいチューナーの使い方は、常に自然な奏法でチューナーを使用することです。チューナーを使って音を合わせる時に、無理やり息の方向を変えたり、アンブシュアを変化させたりして針を0にする吹き方をしていませんか。針を0にするための吹き方をするのではなく、自分の出している音が純粋に高いのか、低いのかを理解することが正しい使い方です。
みなさんは、チューナーをどのような場面で使用していますか?吹奏楽をしていて、チューナーを使う場面と言えば、パート練習や合奏前のチューニングが思いつくと思います。まず初めに理解して欲しいことは、チューナーはあくまで一つの基準であるということです。
よくパート練習でチューニングをする時に、みんな一斉に音をだしてチューニングしている姿をよく見ます。チューナーマイクをベルに着けて、それぞれ自分の音が針のメモリに合うようにチューニングをする・・・
この方法だと、チューニング音は合ったとしても、他の音を合わせる時に音程が合わなくなってしまいます。管楽器の場合、演奏者の体格やアンブシュア、楽器のメーカーなど、様々な要素が関係しあって音が鳴ります。全員がチューナーの針が0になる吹き方でチューニングしても、実際に曲を演奏する時は、その吹き方はしないはず。普段と同じ吹き方をしないとチューニングの意味がなくなってしまいます。
なので、チューナーを使ってパートのチューニングをする時は、パートリーダーの人がチューナーを使って音を出し、その音程を良く聴いて回りは合わせるようにしましょう。→【クラリネット】正しい音程の取り方
音程が合うことでアンサンブルがしやすくなる
チューナーを使えば、自分が演奏する楽器の音程・クセを知ることができます。管楽器は楽器に息を吹き込み管体を振動させて音を出す楽器なので、どうしても音程が高くなる音・低くなる音があります。多少はチューニング管をいじったり、運指を変えたり、アンブシュアを変化させることで音程を変化させることはできますが限度があります。
事前に楽器のクセを理解しておけばアンサンブルの時に、音程を合わせやすくなります。例えば、「クラリネットのこの音は低くなりやすいから、少し低めにとってもらえると助かる」とか「ホルンのこの音は音程高くなりがちだから、少し高めに取って音程を高くしてほしい」といった具合に、音程を多少理解できていなくても、自身の演奏する楽器の傾向を知ることで、お互いの楽器のクセを知るだけでなくよいアンサンブル・音楽を作ることができます。
アンサンブルの時は積極的に自分の楽器はもちろん、いろいろな楽器のクセを理解して、音程を合わせられるようになりましょう。
チューナーを絶対視しない
前述した通り、チューナーは一つの基準になります。ですが、チューナーに頼るばかりで、自分の音や周りの音をよく聴かなくなることがあります。針が真ん中にあるから、自分の音程は正しい!では、複数人で演奏する場合良い響きを奏でることはできません。
ただ、ハーモニーを合わせる時に、音をよく聴く訓練をしておかないと、基音に対してよく響く音程で演奏することができません。誰かと一緒に演奏する時は、必ずその人がメモリの真ん中で演奏するとは限りませんし演奏し続けていると、管体が温まり音程も上がっていき、環境は常に変化します。
ハーモニーを合わせるとき、純正律でとると、基音に対して長三和音で第五音は少し高め(2.0セント)第三音は低め(-13.7セント)にするとよく響きます。ですが、演奏中メロディーラインのこの音が何セント高いから、何セント高め・低めに取る!のような、数字で合わせる人はいないと思います。(中にはなっている音が何ヘルツの何セント高いかわかる人がいるらしいですが、そのような人は一握で、そのような感覚なんてわからない)
大切なのは、柔軟に対応できる力です。チューナーのメモリは音程の事実ですが、メモリの音程を出す練習するのではなく、自分の音色を良く聴き、イメージした音を出した時、その時の音程が、どのような高さなのかを知りましょう。
そして合わせる時、この人は音程高いな、ちょっと低いな・・・くらいの感覚で、柔軟に、臨機応変に対応するとよいです。
まとめ
チューナーは実際に出ている音程を表示してくれる便利なものです。ですが、日常の中で流れてくる音楽を良く聴いてみてください。カフェのBGM、自分が良く聴く音楽、吹奏楽曲や交響曲。日常の中で何となく聴いている、聴こえてくる音楽はいろんな音色で溢れていて、今の音は何セント高い、低いなど考えませんよね。
チューナーはあくまで基準を示してくれるもの。上手に付き合って練習・演奏に生かしてください。