【音楽】アンサンブルの作り方!練習の進め方!
みなさんこんにちは。秋になると、吹奏楽部にとってはアンサンブルが盛んになる時期ですね。「アンサンブル」とはフランス語で「一緒に」という意味です。
オーケストラや吹奏楽などの大人数ではなく、少人数で演奏する団体を指す音楽用語です。アンサンブルの練習にしっかり取り組むことで、いろいろなスキルが確実に身に付きます。
個人練習も大切ですが、アンサンブル練習はもっと大切です。
ですが、いきなりアンサンブル練習をやれと言われても、練習方法がわからなかったり、進め方がわからなかったりしますよね。
今回は、アンサンブル練習の進め方、練習方法についてお話したいと思います。
アンサンブル練習の進め方
アンサンブルする上で大切なことは、自分のパートを自信をもって演奏することです。もし吹けないところがあったら、きちんと練習してできるようにしておきましょう。
そうすることでアンサンブル練習を効率よく進めることができます。
先ずは音を出してみよう
演奏する作品を決め、ある程度練習したらとりあえず音出しをしましょう。
始めは上手く合わなかったり、タイミングが合わずにずれてしまっても構いません。
何度か繰り返し演奏して、自分たちが演奏する曲がどんな曲か知りましょう。
そうすることで音楽のイメージができて、自分のパートがメロディーなのか、伴奏なのかが何となくわかると思います。
スコアを開いてみよう
音出しをしたことで曲のイメージが付いたら、今度はスコアを見てみましょう。自分のパート譜には、当たり前ですが自分が演奏する音しか書かれていません。
スコアを見ることで、聴覚的だけでなく、視覚的にだれがメロディーを演奏していて、誰が伴奏なのか一目でわかります。
楽譜を貰ったばかりだと、どうしても自分の譜面だけに目線がいってしまう傾向があります。
なので、初めから誰がどのパートを演奏しているか意識することで、視覚的にアンサンブルがしやすくなります。
アンサンブルは、耳だけでなく目も使います。最初はそこまで気にすることができないと思いますが、‟ここからメロディーが入ってくる” とわかっているだけでも演奏のクオリティが上がります。
一緒に演奏する人にも常に意識を傾けるようにしましょう。
フレーズ感・ハーモニー・バランス・リズムを統一しよう。
スコアを読み、自分のパートの役割を理解したら、いよいよ楽器を使った練習になります。
アンサンブルの基本は、音程・リズム・和音・アーティキュレーションの統一、フレーズ感と音量バランスと強弱です。
これらのクオリティーが高いほど、曲の完成度が上がり、よいアンサンブルになります。演奏するメンバーと話し合い、これらをきれいにまとめてみましょう。
もちろんこれらの練習は、個人個人がしっかり楽譜を読み込み、演奏できることが大前提になります。できないところを探し、しっかり練習してから臨むようにしましょう。
アンサンブルの練習方法
先ほどアンサンブルの基本のお話をしましたが、合わせろと言われてもなかなか難しいですよね。それに、音をブレンドさせる感性のような技術も必要になります。
管楽器や歌は、調弦や調律がありません。管楽器の指使いはあるピッチに対する大まかな範囲しかもっていません。
そのため、自分が狙った音色、音色をだす為の技術とソルフェージュ能力が必要になっていきます。
次は、実践的なアンサンブル練習のお話をしたいと思います。効果的な練習なのでぜひ試してみてください。
フレーズ統一練習
メロディーラインのフレーズ感やアーティキュレーション強弱をそろえたい時に使える練習方法です。
ピアノやキーボードなどを使い、同じメロディーを持つ人と一緒に音を取りながらゆっくり歌ってみましょう。
ある程度音が取れたら、メトロノームをならし、テンポに合わせて、実際に演奏するようにメロディーを歌います。
歌うことで音色や音程を狙うことができ、同時にソルフェージュ能力も鍛えることができます。
管楽器は、息を使うことで楽器が鳴ります。音楽表現を明確にするには、自分が思っているより歌うような息遣いをしてあげないと、表現が伝わりにくいです。
息使いを統一することで、楽器で演奏したときにフレーズを統一することができます。
音程もピアノやキーボードで取れているはずなので、歌ってから楽器で演奏したらすぐに合うと思います。ただ、チューニングはしっかりするようにしましょう。
ハーモニーを合わせる練習
和声は、3声か4声が一般的です。ハーモニーを合わせるには、自分が和音のどの位置にいるか知る必要があります。
スコアをみて自分がどの位置にいるか確認しましょう。まず根音とユニゾン、オクターブを合わせます。ユニゾン、オクターブがあったら、おそらく5度上の倍音が聞こえてくると思います。
その倍音を聴きながら、5度上の音程を合わせます。最後に三度の人が間に入るようにします。
長三和音の場合は第三音は低めに取り、短三和音の場合は高めに取ります。
音量のバランスのとり方は、根音はしっかり鳴らし、第5音は乗っかるように控え目に、第3音はハーモニーに溶け込むよう柔らかく演奏するとよいです。
ハーモニーを合わせる時は、極力チューナーを使わないようにしましょう。音程は、その日の演奏環境やコンディションで変化します。
耳でその響きの感覚を覚えないと、根音の音程が変化したときに対応できなくなってしまいます。耳を鍛えて、柔軟に対応できるようになりましょう。
(→正しい音程の取り方)
楽器のクセも知っておくと、合わせる時に便利です。
例えば、音程がどうしても低くなってしまう音のとき、他のパートの音程を下げることにより、音程があって聞こえるようにできるからです。
これは少人数ならではのちょっとしたテクニックなので、どうしても合わない時は迷わず相談しましょう。
リズム・テンポ感を共有する練習
メトロノームを鳴らし、利き手でメトロノームに合わせて拍を刻んでください。(自分の太ももを叩いたり、ペンで叩いたり…→演奏のためのソルフェージュ)
メンバー全員同じタイミングで叩けるようにゆっくりから始めましょう。同時に拍を刻めるようになったら、そのまま利き手で拍を刻みながら階名で歌います。
曲を演奏する時と同じように歌うようにしましょう。(歌で音程が取れていたらなおよし!) 正確に階名で歌い、絶対にメトロノームや他の人と拍がずれないように注意してください。
僕もそうですが、意外と楽譜を読んでいるつもりでも正確に読めていない人が結構います。
きちんと意識して階名で歌うことで、フォーカスのあった音になり、音色がぼやけにくくなります。
拍を刻む練習をすることで、メンバーとテンポ感・拍子感を共有することができます。
「テンポだけなら、メトロノームを使って楽器を使った曲の練習をすればいい」と思いがちですが、そうではありません。
ほとんどの人が、メトロノームのテンポに合わせて音をなぞるだけの練習をしています。
これだとメトロノームを外した時に、自身のテンポ感・リズム感が定まっていないため、テンポやリズムが不安定になりやすいのです。
この練習で大切なことは、自分自身のもっているテンポ感・拍子感をメトロノームを鳴らして整えることにあります。利き手で拍を刻むことで、そのテンポと拍を物理的、視覚的に感じることができます。
これらの練習をした後に、曲を通してみてください。フレーズ、リズム、テンポ感がそろったことにより、とても吹きやすく感じると思います。
そして何より、周りの音がよく聞こえるようになります。一体感のようなものが生まれるので、より音楽に集中できると思います。練習前と後では、格段にクオリティが違うはずです。
よりよいアンサンブルを目指して 音楽に命を吹き込む!
たくさん練習して、曲の完成度が上がってきたら、耳だけでなく目も使うようにしましょう。
1stパートの人が練習をまとめていくと思いますが、1stは指揮者と同じように、曲のスタート、テンポの変化、フェルマータなど目や上半身の動きで合図を送らなければなりません。
せっかく1stの人が、合図を送っても、他のパートの人が見落としてしまっていては、よいアンサンブルとは言えません。
メンバー全員と意思疎通ができれば、正確かつ柔軟な曲作りが可能になります。
自分自身の曲の練習も大切ですが、一緒に演奏するメンバーの吹いてる姿を見て、その人のクセや吹き方も覚えるようにしましょう。
そしてもう一つ。先ほど、メトロノームを使ってフレーズやリズム、テンポを整える練習の紹介をしました。
より音楽性のある曲作りをするために、ある程度曲がまとまってきたら、メトロノームをあまり使わないようにしましょう。
メトロノームを使った練習は、技術的な練習に役立ちますが、音楽的な練習には向いていません。
哲学じみた話になりますが、メトロノームは機械で僕たちは人間、「マネキン」ではありません。
「命あるもの」と「ないもの」は違います。メトロノームに合わせて、楽譜に書かれている音を出すだけでは音楽にはなりません。
音楽は「命」があって成長するもので、演奏者が命を吹き込むことで音楽が生まれます。
メトロノームに頼りすぎて、機械のような演奏になりがちです。演奏するのは僕たち人間、聴いてくれるのも人間で、機会に採点してもらうわけではありません。
なので、一緒に演奏するメンバーといろんなアイデア出し合い、自由に演奏することを心がけましょう。よいアンサンブルがよい音楽を生みだします。
まとめ
アンサンブルは吹奏楽やオーケストラと違い少人数で演奏するため、自由度が高く個人の技術がより求められます。
合わせ練習の前に、1stパートの人があらかじめアナリーゼ(楽曲分析)をしておくと、すんなり練習を進められます。
アンサンブルの基本を常に意識し、自分のパートを責任もって演奏しましょう。
アンサンブルは、音楽的な要素をたくさん学ぶことができます。同族楽器だけでなく、いろんな楽器とアンサンブルを楽しんでくださいね。