音程がわからないとき
みなさんこんにちは。今回はソルフェージュの話題です。皆さんは、音程の「高い」「低い」はわかりますか。楽器を始めたばかりの方は、おそらくわからない方が多く、吹奏楽やオーケストラの練習などで、音程を合わせろと言われると困ることもあると思います。ですが楽器を始めたばかりの人でも、ソルフェージュの訓練をすることで、音程の「高い」「低い」はわかるようになります。
自分の中の基準音を決める。
ピアノやキーボード等(安定して伸ばせる音)で音を伸ばし、音を合わせる練習をします。ここでは、オーケストラのチューニング音であるA(ラ)の音を使ってみましょう。
まず、Aの音をよく聴き、自分の頭の中にAの音が残るようにします。次に、基準音を消して頭の中に残っているAを思い浮かべながら、声でAの音を歌いましょう。その状態で、再び基準音を鳴らします。この時に基準音と自分の中のAの音がどれくらい違うかを聴き比べてください。
はじめは「高い」「低い」はわからなくて大丈夫です。自分の中にあるAと何となく違うなーと思うだけでよいのです。自分の中で何となく違うことがわかったら、もう一度同じ工程を繰り返し、次に歌うときに音程を少し高め(または低め)に歌います。そうすると、基準音とずれるので、音のうねりが発生します。この音のうねりを覚えたら、音をもとに戻し、基準音と自分の中のAを合わせます。
二つのAの音が合うと、音のうねりはなくなります。音を高くする、低くしたときに発生する音の揺れを感じることで、音程がずれていると認識することができます。これらの練習を繰り返すことで、自分の中のAの音が確立していきます。
自分の中で音が鳴るようになれば、あとは、合わせる練習を繰り返すのみ。自分の頭の中のAと、基準音との音程のい差異を自分の中で消化できるようにします。
はじめは理解することは大変ですが、音が揺れていること(音のうねり)を認識できるようになれば、自然に合わせられるようになり、音感が身に付きます。
自分の音が聴こえる場所で
この訓練をする時は、基準音と自分の声がよく聴こえる環境で行いましょう。音程がわからない人のほとんどは、自分の声をよく聴いていない・聞こえていないことが多いです。
小学校の時の合唱で何人かいると思いますが、すごい音程で(明らかに違う音・よく言えば個性的、悪く言えば音痴)で歌っている人はいませんでしたか。あれは、自分の声が聞こえていないことと、自分の中に基準の音がないと起こります。現に、ちょっと音感がない子の訓練をしたときに正しい音を教えていったら、音感がよくなり、音痴が治りました。その子曰く、自分の声がよく聴こえていなかったことと、自分がこんなにずれていると思っていなかったそう。
このずれを感じることが、音感を鍛える上で重要なことなので、自分の声がよく聴こえる環境で行うようにしましょう。
まとめ
吹奏楽やオーケストラは、演奏を始める前に「チューニング」という楽器を調律する作業をします。オーボエがA(ラ)の音を伸ばし、その音基準にしてチューニングしていきます。この作業は、楽器のチューニングの作業はもちろんですが、自分の中のAとオーボエのA合わせる作業でもあります。
どんなに調弦したり管体の長さをかえチューニングしたとしても、楽器のチューニングがあっただけで自分の中の音と合わせなければ意味がありません。自分の中の音程と演奏する楽器の音程、さらにはオーボエの音程を理解して初めて正しいチューニングができます。
耳をよく使って音を聴き分けて、音程を理解できるようになりましょう。