「今、この瞬間」に集中するには 集中力のお話

集中しやすい環境を作る

先ほど決断疲れの話をしましたが、作業をする部屋の環境作りも大切です。「これから勉強しよう」と思っても、あちらこちらに物が散らばっていると、意識を物に取られてしまい集中できなくなってしまいます。勉強をしないといけないのに、ついつい部屋を片付けたりしてしまいます。

これは、セルフ・ハンディキャップという現象です。勉強が捗らなかった理由を部屋の片付けをしていたから。勉強をしなければならないのに、別の作業(掃除)に一時避難して、自分にハンディキャップを課すことで、無意識にできなかった言い訳を作っているのです。

このようなことにならないために、常日頃から、部屋を片付ける習慣をつけ、集中しやすい環境を作りましょう。そうすれば、余計なことに意識を取られず、即時判断することで集中力を高めることにつながります。

スマートフォンが集中力を奪う

スマートフォンはとても便利で、使い勝手がよいものです。ですが、スマートフォンを扱うことにより集中力が奪われてしまいます。ある実験の結果で、スマートフォンをサイレントモードにしてポケットにしまっていても、スマートフォンの影響を受け、集中力や認知能力が減ることがわかっています。

机の上に置くだけでも、気になって集中できなくなります。なので、作業中や練習中はスマートフォンを使わないだけでなく、サイレントモードにしてリュックにしまう、別室にしまうなどして、集中力を奪われないようにしましょう。

短時間の集中を繰り返す

集中力には持続時間の限界があります。ずっと集中し続けることはできません。一見ずっと集中しているように見える人でも、うまく休憩をはさみ、短時間の集中を繰り返しています。

この集中力は長くは続かない特性を生かして、集中している時間を効率よく過ごす方法があります。
それは、時間を区切り、「もう少しやれそう」「もうちょっとやりたい」というところで、一度休憩をすることです。これを「焦らし効果」と呼びます。

休憩することに、罪悪感や抵抗がある人もいると思いますが、一度作業を止めてもやりかけの作業を無意識に考えていることがわかっています。

集中力は鍛えられるとはいったものの、集中力の持続時間を際限なく伸ばせるわけではありません。効率よく集中するための時間作りが大切です。

ポモドーロ・テクニック

ポモドーロとは、イタリア語でトマトの意味。シリロが大学生の時に使っていた、トマト型のキッチンタイマーをしようしていたことにちなんでいる。

これは、作家のフランチェスコ・シリロによって考案された。時間術で、25分の集中と5分間の休憩を挟むというものです。

集中する時間を区切り、「もう少しやりたかった」というところで休憩に入ることで、集中力を高めることができます。

25分でも長いという方は、15分の集中と3分の休憩でも構いません。この時に気をつけることは、複数の作業を同時に行わないこと。一つの作業に集中して行いましょう。

注意点は、休憩の前後でやることを変えないことです。なぜなら、休憩中でも無意識にさっきまでやっていたことを考えているからです。5分後に再開したときに、アイデアがたくさん出たり、作業が早くなったりします。

これは、心理学で「デッドライン効果」や「締め切り効果」と呼びます。夏休みの宿題を最終日にやるときのあの集中力は、この効果による集中力増加によるものです。

ポモドーロ・テクニックを推奨する理由は、とにかく集中力を持続させやすいからです。「今日はたっぷり時間があり、作業に当てられる時間が5時間もある」と思っていると、あれもこれも作業を始めてしまい、集中力が散漫になりやすいです。

ですが、このテクニックを使えば集中力が散漫にならず、目の前の作業を効率よく進めることができます。

まとめ

集中力は生まれ持った才能でなく、誰でも持っている力です。ただ、その使い方を知らなかったり、使うための環境が整っていないことがほとんどです。

詳しくは触れていませんが、もちろん睡眠の質や食事の内容、体調によっても左右されます。睡眠の質や健康状態が整った上で、参考にしていただければと思います。

集中力を自在に操り、「今この瞬間」に意識を向けていきましょう。

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