吹奏楽部を上手くまとめる お悩みの先生方へ  

練習の流れを確立するために

指揮者のイラスト(女性)

基本的に個人練習、パート練習、基礎合奏、合奏という流れになります。個人練習、パート練習、基礎合奏のプランは生徒たちで考えさせて良いです。ただ生徒に丸投げではなく、たまに聞いてあげたり、講師の先生や楽器を吹けるOBの方など呼び、指導してもらいましょう。

指導してもらうことで、子供たちの中で楽器のイメージや基準が出来上がります。楽器も上達するだけでなく、正しい練習方法を身に付けることができます。

正しい基準や練習方法を身に付けることで、自分たちで考えて練習ができるようになります。そうすれば、たとえ先生が楽器を技術的に教えることができなくても、生徒の演奏技術をあげることができます。

まれにお金を払って講師の先生を呼ぶ必要がないという人がいます。生徒を指導できるほどの楽器の技術があれば問題ないのですが、そんなことができる人はほぼいません。

講師を呼び、演奏している姿や音、その演奏を体感することは、何より生徒たちの財産になります。財源的にも難しい問題ですが、よい講師を見つければ、間違いなく生徒は上達します。

個人練習

個人練習は、生徒自身が考えた練習プランで練習してもらいましょう。楽器を初めてまもない子の場合は、パートの先輩に教えるように指導しましょう。初めがとても肝心なので、基本的な構えや呼吸、練習方法を一緒に練習して、一人でできるようになってもらいましょう。

パート練習

パート練習では、ハーモニーの練習をしたり、曲の合わせをしてアンサンブル能力を高める練習をします。各パートリーダーが今自分たちに必要なことが何なのかを把握しておく必要があります。

この練習の時間によくありがちなのが、何をしたらいいかわからず、ただ時間だけが過ぎてしまうことです。そのようなことを防ぐためにも、合奏時に自分たちが今練習したほうがよい箇所を明確に指導しておきましょう。

合奏で上手くできなかったところや、合わせをしておいたほうがいい場所を指摘していたほうが、子供たちも迷わず練習に取り組むことができます。

ちなみに、パートリーダーは音感がよい子がするのが好ましいです。もちろん日々の練習で音の感覚は養われていきますが、これはとても時間がかかります。

吹奏楽に入部してくる人の中に、ピアノやキーボードと習っているという子がいる確率が高いです。そういった子供は、音感がよく、他の人より理解が早く上達も早いです。その子がパートリーダーになるようにすれば、上手く曲やパートをまとめてくれるでしょう。

基礎合奏

基礎合奏には、さまざまな効果があります。子供たちの合奏前の軽いウォーミングアップやチューニング、ユニゾンやハーモニー、音量バランスなど、曲を演奏するために必要な要素が詰まっています。

子供たちが自分の音ではなく、いろんな楽器の冷静に聞くことができる練習です。音量のバランスやハーモニーは、耳を使わなければなかなか合わないので、この練習を繰り返し行う必要があります。

合奏

合奏練習の時は、演奏技術がままならないため、子供たちは吹くので精一杯です。ほとんどの生徒が楽譜にしがみついて演奏しています。視野を広く、隣の人の音を聴いたり、遠くにいる金管楽器のメロディーをきいたりするなどして、音楽を良く聴くように指導しましょう。

耳を養うことで、全員の音の感覚を養うことを目指します。そして、合奏の時にできないところ、表現や音程などを指導して、次回の合奏の時までに改善するように指導します。

合奏の場は個人練習をするところではありません。子供たちに、合奏までにできないところは極力減らし、自分たちでできることは自分たちで練習する、という考え方を学ばせます。(メロディーラインの表現の統一やハーモニー、音程など)

選曲の注意点

選曲の時に注意しなければならないことがあります。今の自分たちのレベルと、選曲した曲の難易度が適切かどうかです。子供たちが好きな曲を演奏するのもよいし、定期演奏会やコンクールなどに向けて、聴き映えするような曲を選曲しても構いません。

ですが、あまりにも難しすぎる曲を選ぶことは、おすすめしません。

なぜなら子供たちはまだ、楽譜を読む力や演奏するための技術が足りません。そのために練習すると言えばそれまでです。ですが段階的に曲の難易度をあげていかないと、ただでさえ奏法が不安定なのに、無理をしてバランスを崩してしまいます。

何とか音を出せても、音を出すのに精一杯で音楽どころじゃなくなってしまいます。いきなり、音域の高い曲や、速いパッセージがたくさんある楽譜を渡すことは、生徒もモチベーションを下げる原因にもなります。

なので、自分たちの今のレベルにあった選曲をするようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?いろいろ書きましたが、充実した教育活動は、心身共に健康であることが大切です。働き方改革の観点からすると、何かと話題になる部活動の指導ですが、先生方の負担が少しでも軽減されれば幸いです。

僕も指導先の先生や、知り合いの教員から常々話を聞いており、心が苦しい限りです。

生徒主体の部活動の仕組みを創り上げることができれば、先生の負担を軽減することができます。先生と子供たちとのコミュニケーションを図り、自分で考え、行動できるような組織を作りを目指していきましょう。

初めは大変かもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。

参考文献

《論説》中学校の部活動問題を通して
教育関係者に問われることとは
昭和女子大学・専任講師 歌川 光一
https://www.onbunso.or.jp/wp-content/uploads/2019/04/05_utagawa.pdf



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