楽器を使わない練習
みなさんこんにちは。新型コロナウイルスの影響で学校の休校や部活動の制限によって、中学・高校生が学校で練習する機会が減っている状況です。自宅だと練習できない方や、長時間音を出せない方もいると思います。
そこで今回は、楽器を使わずに自宅で行える練習方法についてのお話です。
ブレストレーニング
ブレストレーニングと聞くとたくさん息を吸い込めるようにする練習というイメージがありますが、この練習の意味は、たくさん肺に取り込んだ息を自在にコントロールできるようにすることです。
mfで演奏する時は、自分が一番吹きやすい音量・音色で演奏すると思います。でも、fやpなどの時はどうでしょうか?大きい音、小さい音だすとき首回りや胸回り、腕などに余計な力を入れて演奏していませんか?
身体が力むとブレスがだんだん浅くなり、息が自然に流れなくなってしまいます。どんな音量・音色で演奏する時も、充分に息を取り込み、自由自在に息を流せるようにしましょう。
詳しい練習方法はこちら(クラリネットの音色をよくするには)
スコアリーディング
楽譜には、発想記号・テンポやリズムなどその曲の情報が詰まっています。もしあれば、パート譜ではなくフルスコアを読んでみてください。
自分がどのパートと一緒なのか、全体の和音やリズムの動きを読み解くことで、合奏の時に普段聞き流していた(聞き取れなかった)音も聴こえるようになります。聞こえるようになれば、音程やリズムを合わせやすくなるのでぜひ試してみてください。
簡単スコアリーディング
- 楽譜上のテンポ、調号、拍子、リズム、転調や音楽用語の確認
- メロディーラインをどのパートが演奏しているかを確認
- 伴奏(リズム隊)のリズム、パートの確認
- 和音進行の確認(できたら)
歌う
歌うことは、クラリネットを演奏する上でとても大切な練習です。ブレストレーニングの話につながるのですが、クラリネットは息をコントロールすることで音楽を表現します。
音量のコントロールを息の量ではなく、口回りの筋肉の力や顎の力に頼りすぎてしまうと、表現をするのに息を使わなくなってしまう可能性があります。
pの音色で吹くときは、リードを極力潰さず息を流し、fの時は、息の量を少し増やしリードをよく振動させ、楽器を響かせて演奏します。
歌うことによって、自然と息の流れや自分がしたい音楽表現の感覚をつかむことができ、クラリネットで演奏しているときに、いかに息が使えていなくて、歌うような息使いができていないかがわかると思います。
今練習している曲で、実際に歌って練習してみましょう。
歌の練習ポイント
- 自分が表現したいことを素直に歌って練習する
- リズムを正確にとる
- 電子ピアノなどがあれば、音を取りながら練習する
映画を見たり音楽を聴く・本を読む
最近はCD、DVD、テレビやyoutube、本など、自分の感性を刺激することができる媒体がたくさんあります。
音楽を聴いたり、本を読んだりして、自分が見たことのないものや、非現実的な物語や絵画などを見ていろいろ感じてみてください。
もちろん映画などでも大丈夫です。楽器のことなど忘れて自分好きなことに没頭してみてください。音楽を表現するで感性や発想力、多面的に物事を見る力はとても役に立ちます。
ポイント
- あまり難しく考えすぎない
- 興味のあることに触れる
まとめ
楽器を使った練習と聞くと、技術的な練習のイメージが先に来てしまいがちです。もちろん呼吸の練習をすれば、楽器を演奏するのに必要な呼吸ができるようになり、豊かな響きで演奏できるようになります。
ですが、豊かに響かせる技術を身に付けても、音楽的なことを学ぶことはできません。技術的な練習からはインスピレーションを得ることが難しいのです。
なので、楽器を吹けない環境にいるときは、自分の興味のあることに時間を使ったほうが有意義に過ごせますし、巡り巡って音楽表現のイメージや感性を磨けるのではないでしょうか。
もちろん技術的なことは大切なので、バランスよく練習していきましょう。