音楽表現をもっと自由に!表現力を身につけるには
みなさんこんにちは!「音楽の表現の仕方がわからない」、「表現力をあげるにはどうしたらいいか」と、よく生徒から質問されます。
今回は生徒から質問が多かった音楽表現についてお話しします。
音楽表現とは
ひょうげん【表現】
[名](スル)心理的、感情的、精神的などの内面的なものを、外面的、感性的形象として客観化すること。また、その客観的形象としての、表情・身振り・言語・記号・造形物など。「情感を表現する」「全身で表現する」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
[補説]representationおよびexpressionの訳語。
自分の中の気持ちやイメージ、伝えたいことを表に現すことが「表現」です。
音楽表現とは、演奏したり、歌ったりして、自分の気持ちを「表現」することです。
Q.音楽表現の仕方がわからない
音楽表現をする際、はじめに楽譜をみると思います。楽譜にはダイナミクスやフレーズ、アーティキュレーションなど、その曲を表現するための音楽用語が記されています。
演奏者は、それらを汲み取り表現します。
演奏する曲の仕組みや楽譜に記されていることを理解することは、音楽表現する上でとても大切なことです。
楽譜を読み込んだり、音楽を聴き込んだりすることで、その曲の全体像が見えてきます。
音楽の表現の仕方がわからないということは、表現したい音楽の全体像が見えていないということです。表現の仕方は、曲を理解すればするほど自然に自分の中からアイデアが出てくるものです。自分の中から生まれるアイデアを大切にしていきましょう。
解決方法!
・先ずは音楽を聴いてみる
音楽表現するには、演奏する曲の構造が頭の中に入っている必要があります。ですが、楽譜だけみて音楽をイメージするのは難しいといます。
なので、楽譜を見ながら曲を聴いてみましょう。そして、聴いて自分なりに感じたことを文字にしてみましょう。
例えば、明るく元気で、躍動感あふれる曲を聴けばわくわくします。美しい旋律や自然を感じるような演奏を聴けば、うっとりしたり美しく感じます。
音楽を聴く中で感じとったことを大切にしてみてください。
繰り返し聴けば、音楽の全体像が分かってきます。そうすれば、いざ自分が楽器を手にしたときに、表現したいことが自然に出てきます。
音楽を聴いたときに 自分が何を感じ取ったか
これを大切にしてみてください。
・楽譜を読める人に聞いてみる
音楽を表現するには、音楽の三要素を理解する必要があります。
本当は、ソルフェージュのレッスンを受けるのがいいのですが、楽譜を読める人にきいて、音楽の三要素、リズム、音程、ハーモニーなど、基本的なことを教えてもらいましょう!
その曲がどんなハーモニーなのかを知るだけでも音楽表現のヒントになります。
楽譜の内容を理解できるようになれば、楽譜を見ただけで頭の中で音楽をイメージすることができるようになります。
普段の練習から、楽譜をよく読む癖をつけるようにしましょう。
・人の演奏を参考にする
他の人の演奏を楽譜を見ながらきいて、その人がどんな風に演奏をしているか参考にしてみましょう。演奏をたくさん聴いて、まねをして、自分の表現の引き出しを増やしましょう。
Q.表現力をあげるにはどうしたらいいか
ここからは、実用的なお話になります。
表現力をを上げるには、上記の通り曲の全体像を理解する必要があります。もう一つ大切なことがあります。
それは、自分の演奏をよく聴くことです。自分では聴いているつもりでも、ほとんど聞けていない人が多いです。
クラリネットという楽器を挟んで表現しているので、自分が思っている以上に音を良く聴いて表現しないと、お客さんにはわからないものです。
例えば、自分はmfで演奏しているつもりでも大きく聞こえていたり、高い音をpで演奏しているつもりが、目立っていたり様々です。
クラリネットを演奏するためのテクニックも必要な要素ですが、fやpといった強弱のコントラストを見せるテクニックも必要不可欠です。
解決方法!
・楽譜に自分が表現したいことを書き込む
自分が今練習している曲のフレーズをどのように演奏するか自分なりに書き込んでみましょう。(記号でも文章でも何でもよいです)
書き込んで整理したあとに練習してみると、自分が思っている以上に、書き込んだ内容を吹けていないことがわかると思います。
整理整頓して、表現をより明確にしましょう。
・フレーズを歌う
楽器を使わず、自分の声で歌ってみましょう。声は最も自然な楽器です。クラリネットを通していないので、自分の表現したいことがダイレクトに伝わります。
声に出して練習したあと、クラリネットで吹いてみましょう。そうすることで、クラリネットでも、歌のようにフレーズを演奏することができるようになります。
とても効果的な練習になるので、積極的に歌いましょう!
・音楽的な距離を理解して、音楽の奥行きを意識する。
少し難しいことですが、音が跳躍するとき(距離)、和声が変わるときの音の変化(奥行き)を意識してみましょう。
例えば、クラリネットの音が大きな跳躍をするとき、指を上げ下げするキーの操作で簡単に吹くことができます。
しかし、弦楽器の場合だと、オクターブ跳躍する際に、弦の上の物理的な距離ができます。
この距離を音楽的な距離と考え、音と距離の間の抵抗を意識して演奏することで、より音楽的になります。
奥行きに関しては、和声の移り変わりを感じ取るだけでも、大きく生まれます。
自分が和声のどの位置にいるのか、次の和声は何なのか理解して演奏すると、音楽に立体感が出てくるので、意識的に音を聴くようにしてみましょう。
・演奏を録音する、他の人に演奏を聴いてもらう
演奏を録音したり、他の人に演奏を聴いてもらうことで、フレーズの歌い方などすべてがわかります。
自分の今の演奏を知ることは上達する上でとても大切なことです。自分に足りない部分を見つけましょう。
いかがでしたか?
音楽表現はとても難しい問題です。わからないことがあれば、周りの人に聞いたり、レッスンを受けることをお勧めします。
一人で思い悩まず、みんなでよい音楽を創っていきましょう!