【クラリネット】音色をよくするには?

 こんばんは!毎日クラリネットを吹いていますか?今回はクラリネット奏者の一番の悩みといっても過言ではない、音色のお話です。

いつでもよい音、きれいな音で演奏したいですよね。

マウスピースやリード、使用しているクラリネットのメーカーによって音色も様々ですし、演奏者によっても大きく音色が変わります。

さっそくクラリネットの音色がよくなる方法を紹介したいと思います。

よい音・理想の音を見付けよう

クラリネットの音色をよくするには?
どんな音を出したいですか?

 まずは、自分自身の音をよく聴いてみましょう。硬い音、柔らかい音、細い音、太い音など、十人十色です。

自分が奏でている音はどんな音ですか。自分の音を分析してみましょう。 

 次にすることは、他の人の演奏を聴くことです。

できれば演奏会に足を運んで生の演奏を聴くことが一番ですが、近くで演奏会がないこともあるのでCDで聴いても構いません。

生演奏ではないですがCD、DVD、テレビはもちろん、youtubeなど演奏を聴く機会はたくさんあります。

色々な音源があるので、自分がよいと思う演奏、音色を見付けてみてください。

ちなみに、僕が好きなクラリネット奏者は、ポール・メイエ(Paul Meyer)です。彼のビードロのような、明るい音色が好きでよく聴いています。ぜひ聴いてみてください。

自分の音と、理想の音は見付かりましたか。

クラリネットの音色をよくするには、自分の音と理想の音の音色やキャラクターの違いを理解することが大切です。

違いを理解した上で、常に理想の音のイメージするようにしましょう。

理想の音に近付くために

 よく、「音色を変えたい」、「~さんのような音を出したい」と言って、ひたすらロングトーン練習をしている人がいますが、

ロングトーン練習をしたからといって、音色が劇的に変わるわけではありません。

ロングトーン練習は音をまっすぐ伸ばす、安定させる、楽器をきちんと鳴らす練習です。

ただひたすら練習するのではなく、練習の目的をしっかり理解して行うようにしましょう。
 
 では、ロングトーン練習以外で音色を変えるにはどうしたらよいでしょうか?以外にも簡単に音色を変える方法があります。

それは、今まで使ってこなかったマウスピース、リードを使うことです。

 音色は仕掛けによって大きく変わります。今までと同じ仕掛けで吹いていては、音色を変えることは難しいです。

なので、今までの自分をリセットするつもりで仕掛けを変えてみましょう!

初めは慣れないかもしれませんが、自分が吹きやすいものを探してみてください。

自分の好きな奏者のまねをするのもよいと思います。

クラリネットの音色をよくするには?

 
 例えば、先ほど紹介した世界的にも有名なフランスのクラリネット奏者、ポール・メイエ。

彼はバンドレンの5RVライヤー使用しています。

このマウスピースは全音域で反応が良く、コントロールがしやすいのが特徴です。5RVよりティップオープニング(※1)が大きめで、フェイシング(※2)が長めになっています。

このセッティングで吹けば、彼のような華やかで、明るい音色に近づけるでしょう。



※1…マウスピースの先端から、リードの先端までの隙間の幅。
※2…マウスピースの先端からリードが接するところまでの長さ。

自分にあったセッティングを見つける

クラリネットの音色をよくするには? リード早見表

 自分にあったセッティングを見つけることも大切です。

さきほど自分の好きな奏者のまねをするのもよいといいましたが、必ずしも自分に合っているとは限りません。

よく無理をして、とても硬いリードを使い力んで演奏している人や、逆にとても柔らかいリードで音がつぶれたり、息が入らない(詰まる)ため口を極端に緩めて演奏したりしている人がいます。

硬すぎるリードを使っている人は、演奏時にかなり体力を使います。

かなり抵抗があるのでリードを噛む癖がつきますし、コントロールできないので音に表情をつけることが難しくなります。

柔らかすぎるリードを使っている人は、リードが息の圧力に耐えることができず、響きがつぶれてしまいます。

それを鳴らそうと、マウスピースを深くくわえる、口をゆるめて息を入れるようになります。

音量が乏しく音程がぶら下がり、楽器がならないため、表情が付きにくくなります。

一人ひとり身体の大きさや口の形は違うので好きな奏者と同じ仕掛けが吹きやすいとはかぎりません。

大切なのは、自分が自然に鳴らすことのできる仕掛けを見つけることです。硬すぎず柔らかすぎない、先ずはマウスピースにあったリードで吹いてみましょう(バンドレン用のクラリネットマウスピースのモデルリストになります)

そして自分にあった、自分が奏でたい音色が出る仕掛けを探してみてください。

ロングトーンで音色を整える

 僕にとってクラリネットの良い音とは、低音域から高音域までの音質が均一で、深みがある音だと考えています。

クラリネットの音域ごとのキャラクターを壊さず、音質を整えるにはレジスターキーを使ったロングトーン練習が効果的です。
 
 理想の音色や自分にあった仕掛けを見付けたら、ロングトーン練習で楽器を鳴らし、音を安定させ音質を整えましょう。

呼吸のエクササイズ

クラリネットの音色をよくするには? 呼吸

ロングトーン練習を始める前に、呼吸のエクササイズをしましょう。

管楽器を演奏するには、日常生活の呼吸ではなく、大きな呼吸が必要です。

このエクササイズを毎日することで、管楽器奏者の呼吸が身に付くだけでなく、心身共にリラックスできます。ぜひ取り入れてみてください。

手を口の前において、自分の息を感じながらやってみましょう。

・準備

  • 4秒かけて息を出し切ります
  • 8秒かけて息をゆっくり吸い込む
  • 16秒かけて息を出す

・息を吸う!

この最後の息を吸うが大切で、変に意識しなくても息を取り込めたと思います。

この肺が広がる感じを覚えるようにしましょう。緊張したり、小さい音で演奏しようとすると、どうしても身体が硬くなり息が吸えなくなってしまいます。

ですが、しっかり大きな呼吸ができれば、リラックスした状態で演奏することができます。

ロングトーン練習のポイント!

 どの練習にも共通して言えることですが、始めはゆっくりとしたテンポ ♩=60 で練習しましょう。

※反応がよく、しっかり響くリードを使って練習しましょう※

音のイメージをする

 自分が出したい音色、曲中に使う音色をイメージしながら練習しましょう。

音をはっきりとした舌の動きで初めて、しっかりと伸ばし、音が最後までゆれないようによく音を聴いて練習しましょう。音色をイメージすることによりフォーカスのあった音になり、音がぼけにくくなります。

2.正しく無理のない姿勢を心がける

 クラリネットを吹くための姿勢は、身体を楽にして、余分な力が入っていないことが基本です。まっすぐ立ち、身体を安定させましょう。

豊かで密度の高い音を出すために、肺が楽に動くように十分に開きましょう。腕は身体に沿って自然に落とします。

そして構える際に、頭を動かさずにクラリネットをくわえるようにしましょう。

ゆっくり構える練習をしてみたらわかるのですが、楽器が口に近づき、くわえようとするときに頭を動かして構えている人がいます。

これだと肩や首周りに力が入ってしまいます。腕の力で楽器を近づけくわえるようにしましょう。そうすることで、自然に楽器鳴るようになります。

3.アンブシュアを意識する

 アンブシュアは楽器を演奏するうえで、とても重要です。顎を平らにして、丸まったり、しわができていないか鏡を使ってチェックしましょう。

両唇の軽い圧力でマウスピースを包み込むようにし、口の両端から息が漏れないようにしましょう。

喉の奥を開けるよう空間を意識すると良いでしょう。良いアンブシュアは演奏を安定させ、音楽表現を豊かにします。

4.楽器が響く息の方向をみつける

 自分の音をよく聞きながら息の方向をかえて、音がよく響くポイントを見つけましょう。

大きい音を出す際に、たくさん息を入れて鳴らそうとする人がいますが、響くポイントが分かっていれば、そこまで息を入れなくても響かせることができます。

軟口蓋(上顎の柔らかいところ)に息をあて、ベルに向かって息が流れるイメージです。

効率よく楽器を鳴らしていきましょう。
 

まとめ

 ひとりひとりよいと思う音色は違います。

クラリネットの音色をよくするには、自分の理想の音を見付けること、自分の耳で音をよく聴くことだと思います。

クラリネットは様々な楽器メーカーから販売されています。マウスピースやリード、リガチャーなども豊富で、自分に合う物、自分が出したい音色が出るものを自由に選ぶことができます。

音をよく聴き分けて、自分の音を見つけてください。自分が出したい音色に近付くことができれば、自然と音色はよくなるのではないでしょうか。
 

 Only the sound the ear permits is music.
 
自分の耳が許す音だけが音楽である 

というショパンの言葉があります。

この記事を読んで少しでも音色がよくなればと思います。たくさん練習したり音楽を聴いたりして、自分が出したい音色を追求していってください。

参考文献

  • 板倉康明 校訂 『クローゼ・クラリネット教則本』 全音楽譜出版社
  • B.コナブル (2000)『音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと アレクサンダー・テクニークとボディ・マッピング』(片桐 ユズル 小野 ひとみ訳) 誠信書房

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